『リカバリーカレッジ』は、2009年にイギリスで生まれた取り組みで、様々な立場の方がリカバリーについて共に学びあう学び舎です。
メンタルヘルスの困難さを経験した、経験知を持つ当事者と呼ばれる方と、メンタルヘルスに関する知識などを持った専門職と呼ばれる方などが、それぞれの経験や知恵、知識を持ち寄り、学び合いの場を共に作り上げていきます。
『リカバリーカレッジ』は共に学び合い、共につくる、コ・プロダクション(=共同創造)を大切にしている場ですので、治療や支援を提供する場とは異なります。
自分のありたい姿に向けて主体的に学び、自らリカバリーに取り組んでいく場なのです。
ここでの『リカバリー』とは、病気が治ることや症状が軽くなることだけでなく、”自分のありたい姿”や”送りたい人生”を見つけたり、ひととして生きる中で”自分なりの意味”を見つけたりしていく過程のことをいいます。
リカバリーは、誰かから方向付けされたり、誰かに何かをさせられたりするものではなく、本人が自分で決めるものです。
進んでもいいし、進まなくてもいい、戻ってもいいし、止まっていてもいい。方向転換をしてもいいし、向かう方向も、速度も、いつでもどのようにでも変えていい。リカバリーには決まりも際限もない。そのように捉えています。
(参考:リカバリーカレッジガイダンス「はじめに」より)